元地域おこし協力隊が「地域おこしの成功」について本気で考えてみた

元地域おこし協力隊のスギです。

突然ですがみなさん、「地域おこし」っていう言葉にどんなイメージ持ってますか?

「B級グルメとかゆるキャラとか?なんかイベントやってる感じ。」
「なんか流行ってる?地方創生とか。」
「ボンビーガール!美咲ちゃん!」

周りの人に聞いてみましたが、いろんな意見いただきました。

けっこうメディアの影響が強いという印象。そして、さすがの美咲ちゃん

ぼくも3年間、この言葉に振り回されてきました笑

正直今でも「これだ!」っていう答えは出ていません。ただ協力隊の任期も終わり事業を始めた今、もう一度原点に立ち返って書いていこうと思います。

初回は「地域おこしの成功」について。

地域の補助事業や協力隊の評価にもつながってくるこのテーマは、以前からずっと議論されてきました。今回はそんな地域おこしの成功とは何か?そもそも成功なんてあるのか?について考えていきます。

そもそも地域おこしって何?

ちなみにWikipediaでは地域おこしについてこんなことが書かれてます。

「地域おこし」や「地域活性化」とは、地域(地方)が、経済力や人々の意欲を(再び)向上させたり、人口を維持したり(再び)増やしたりするために行う諸活動のことである。
地域おこし-Wikipedia

この定義から考えると、雇用や所得が増えたり、人口が減らなければ地域おこしができたと言えるんでしょうか?人々の意欲の向上というのは、そういった活動に積極的に取り組むっていうこと?

いまいちピンときません。

地方創生の視点からみる成功とは

では最近流行りの「地方創生」と呼ばれる取り組みはどうなんでしょうか。こちらはかなり目的がはっきりしています。

説明すると長くなるので思いっきり省略しますが、その目的とは日本全体の出生数の増加です。

地方創生には「人口の確保」と「成長力の確保」の二つの長期的ビジョンがあるんですが、これは「人が確保できたら、経済成長も確保できるよね?」というものなので、人口の確保を先に実現しなければなりません。

そこで都市に比べ出生率が高い地方に、都市部から若者を移住させ、子どもを産んでもらい、人口を確保しようという話になるわけです。

ただこれは地域側にしてみれば国の要望に対する対外的な成功であって、ぼくには成功の基準のひとつにしか思えません。

地域にとっての地域おこしの成功とは


確かに人口が増えてくれれば嬉しいです。では、そもそもなぜ嬉しいんでしょうか?

農業の後継者ができるから?祭りの担い手が増えるから?

ということは地域で何か残したいものがあるってことですよね。ぼくはそれが地域おこしの目的なんじゃないかって思うんです。

つまり、地域おこしの成功とは自分の残したい地域らしさを残すこと。

ここでいう地域らしさとは、何かしらその土地と結びついているもの。さきほど出た農業や祭りもそうですし、わら細工の技術や海のキレイさ、一軒の家なんかでもいいと思います。

「自治体によって・地域によって」とかではなく、あくまで自分基準です。

当然自分基準なのでみんなの同意を得る必要もありません。思い描く未来の地域の風景はそれぞれ違う。それでいいと思ってます。

その違いが地域に多様性を生むことになると思うので。

なので結論としては、すべての地域に当てはめられるような地域おこし成功の基準は設定できない。それは個人で決めるもの。ということになります。

イメージとしては、ある人にとっては成功していると思える状況でも、別の人にとってみれば全然そんなことはないという状況がありえるということです。

ちなみにぼくは丹後の漁業や海と共にある暮らしを残していきたいと思ってます。やっぱり自分が住んでるところの海が好きだし、一緒に仕事をしてみたい漁師の友達もいるし!

いつまで残せたら成功?

では、いつまで残せれば成功と言えるんでしょうか?

これはもう、お好みでどうぞ笑

ぼくは100年ぐらいかな。
自分が死ぬまでにあと50~60年ぐらいかと思うんですが、その時に残したかったものが消えてしまうのは寂しいじゃないですか。だから100年。

後半の50年くらいは誰かに託します。

地域おこしは個人の思いから始まり、広がる

ぼくの地域おこしの成功についての意見をまとめるとこうなります。

  • 地域おこしの成功とは自分の残したい地域らしさを残すこと。
  • すべての地域に当てはめられるような地域おこし成功の基準は設定できない
  • 残したい時まで残せるよう頑張りましょう。

地域おこしとして全国に知られている取り組みって、最初は案外個人的な思いから始まってるものだったりするんですよ。それが共感を得て広がっていったんです。逆に最初から「地域おこし」っていう大きな看板をかかげてる取り組みの方が、いつの間にかなくなってたりとか。

だからもし「地域に何か貢献したいと思ってて、でもどうすればいいかわからない」っていう人がいたら、自分がいなくなったあとも地域に残っていて欲しいものを思い浮かべてみてください。

そこから何か始まるかもしれません。

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